5.国立国際美術館へ

「国立国際美術館(旧日本万国博覧会美術館)」と「万国博ホール」は、
共に、万博当時の建物なので、これ自体が生きた遺跡です。

 

「国立国際美術館(旧日本万国博覧会美術館)」の南側のガラスは、
開催当時は可動式で、内部の照明や温度を外光と外気温で調整する、
先端のエコテクノロジーでした。

今は、完全に固定されています。

万博ホールは廃止、国立国際美術館は2004年秋、中之島への移転が決定しています。
今では珍しい立派な「自動」でないドアが、我々を迎えてくれました。

これは、建物だけでも別目的で存続させることは出来ないのでしょうか。

 

では、本日の目的地である「国立国際美術館」へ入ってみましょう。



「近作展29 ヤノベケンジ MEGALOMANIA」。
展示内容は、大阪万博色が濃く、大変興味深いものでした。

未来感覚の中にも、何か寂しげな雰囲気を持つ作品に共感を覚えます。
「未来」ではなく「未来の廃墟」。

ここに30年前にあった「未来」、現在ではない。
あれは1970年の未来、現代とは違う世界のことのよう。

万博以降、実現したこと、未だ実現できな事など、
さまざまな思いが、作品を見ながら頭の中を巡ります。

造形では、「リバ・ビバ・プロジェクト −デメ−」に、見とれてしまいました。

また、映像展示は、

「太陽の塔乗っ取り計画」では、あの「目玉男」へのインタビュー、
「生命の塔」では、エキスポタワーの解体から、内部の植物の採取、
などなど、

万博に関する数々のシーンに1時間以上、釘付けになりました。

とはいえ、感動の気持ちのは、ヤノベ氏には申し訳ないのですが、
氏の作品にではなく、その向こうにある、オリジナルの「EXPO70」に。

「生命の塔」も、結局は実物の「エキスポタワー」に近づき、触れる、
その気持ちの方が大きかったように思います。

とはいえ、本当に来て良かった・・・良い思い出になりました。