その8 新婚旅行は宇宙旅行!?ケネディ大統領の鶴の一声。 「1960年代の内に、人類を月に送り込む」。 まさに、この一言が引き金になった、’60年代の米ソ宇宙開発戦争。 1960年代の子供たちは、雑誌などに掲載される宇宙開発の情報に、興味津々でした。 1962年生まれの私には、ガガーリン少佐やテレシコワ女史の記憶はありません。 子供の頃の「宇宙」は、イコール、NASAの「アポロ計画」でした。 真っ白なサターンロケット。 カクカクデザインの月面着陸船。 ゴーカートのような月面探査車。
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それは、絵空事ではなく、日々実現するもの。 宇宙が、だんだん身近なものに感じらるようになりました。 「アポロ計画」初のミッションは1967年1月27日、打ち上げ予行中に火災事故。 3名の宇宙飛行士が犠牲になりました。 有人飛行ミッションは1968年10月11日、アポロ7から。 1968年12月21日のアポロ8では、月の公転軌道にのりました。 そして、1969年7月16日に打ち上げられたアポロ11。 21日には月面着陸。人類が地球以外の星に初めて立ちました。 その後、アポロ計画は、1972年12月7日のアポロ17号で終了となりました。 大阪万博では、文句無しの人気ナンバーワンパビリオン「アメリカ館」。 もちろん「月の石」目当てに、長時間並ばれた方も多いはず。 大阪万博といえば、アメリカ館の月の石を真っ先に思い出される方も多いでしょう。 アメリカ館の月の石は、1969年11月14日打ち上げのアポロ12号が持ち帰ったもの。 大人のこぶし大で、重さが約1キロでした。 しかし、大阪万博には、あと2カ所「月の石」が展示されていました。 ひとつは、アメリカ・ワシントン州館。 アポロ11号が持ち帰ったもので、米粒程度のものが5粒。 もうひとつは、日本館。 1970年4月24日ニクソン大統領から佐藤首相に送られたもの。 マッチの頭大のものが4粒。 やはり、モノはアメリカ館が一番のようですね。 さて、最近の「宇宙」はと言うと・・・。 リサイクルで使える、スペースシャトル。 アームによる衛星の回収や、様々な実験など、 地味ではありますが、宇宙技術の向上が感じられます。 ですが、 最後に人類が月に立ってから、28年。 万博の頃は「大人になったら宇宙旅行できる」と思っていましたが、 はたして、生きている間に宇宙から地球を見ることが出来るのかと危惧しています。 しかも、 先日の毛利さんの宇宙飛行での、地球の中学生との交信。 たぶん、少年の頃から宇宙に夢をはせていた毛利さん。 いきいきとした、その目は、少年そのものでしたが、 質問する中学生の目に精気がありませんでした。 用意された質問をするだけ。 親切にお答えて下さる毛利さんに「ありがとうございました」の言葉も無し。 ただ、質問→答え、質問→答えの繰り返し。 本当に彼らは宇宙に興味があるのかなあと、疑問に思ってしまいました。 確かに、宇宙開発は莫大な予算が伴い、夢だけでは実現できません。 今の宇宙開発に携わる人たちは、多かれ少なかれアポロ計画の影響を受けていることでしょう。 現在の子供たちが、将来の「宇宙旅行」実現に向けて、 夢を持てるようなワールドプロジェクトがあってもいいかと思うのですが。 「宇宙旅行」 実現度・・・・・・・・・★☆☆☆☆ 行きたい!度・・・・・・★★★★★ 癒し度・・・・・・・・・★★★★★ 『参考資料』 航空ファン 2000年1月号 (株)文林堂